天川村森林塾「スギと広葉樹の混交林」
- forstwald2019
- 2023年10月17日
- 読了時間: 2分
更新日:2023年10月17日
昨日の「明日の奈良の森を考える学習会」に引き続き、本日は「天川村森林塾」で清和研二先生と、天川村が進める「広葉樹の森づくり」の現在とこれからと、来年から洞川財産区を中心に進めようとしている 「スギと広葉樹の混交林化事業」の計画についての意見交換〜現地検討 を実施した。
天川村は、川上村などトップクラスの吉野林業地で算出されるような高級材は産出できない。でも、国立公園エリア以外の殆どの森林が拡大造林政策でスギ・ヒノキになっている。そしてこれらの資源に目を向けるものは少なく林業活動は沈滞して長い。なのに、村土面積の97%が森林ときている。
この97%天川村の森林生態系サービスを最大限に引き出し、村の強みとすることが天川村の目指すところ。そのためには、国や県の施策を鵜呑みにして事業を実施するだけではなく地域特有の新しい森林・林業の展開を進めるための一つのアクションが「スギと広葉樹の混交林」だ。
ただ、今までに誰もしていないこんなことを稚拙な自分だけの思いや考えだけで進めるわけにはいかない、そこで、このことについて東北大学で20年以上研究されている西和研二先生をお招きし現地検討会を天川村森林塾で実施した。
広葉樹の森では。「このままではスギヒノキがキハダに置き換わっただけ?自然界ではキハダの10ha集団を作ることはありえない、いつ滅びてしまうかわからない。」と我々もそのことは心配しつつ実施してきたが改めて種の多様性、自然を手本にすることの重要性を再確認させていただいた。
スギ人工林の混交林化の現地では、活発な意見交換もでき、洞川財産区の若い森林支援員も自分の意見をしっかり発表してくれた。この事業は特に大きなダメ出しはなかったがギャップの面積や林縁の活用、樹種の選定や播種などについてたくさんのアドバイスをいただいた。
森林塾には県の職員さんも大勢ご参加いただき、かつてない規模の参加者で、皆現地で具体的な学びを深めることができた。
そして、今日も最後に、先生のお言葉「奈良はかつて吉野林業で日本一の林業技術の地として輝いたが、次の時代も森林生態系の力を最大限に引き出す森林技術のトップランナーとして頑張ってほしい」と励ましてくださった。我々は老若の技術者が手を携えながら奈良の森の未来に向かって頑張っていきたい。
Comments